コンテナ物語 | [ BOOKS ] |
コンテナ物語ーー世界を変えたのは「箱」の発明だった
著者: マルク・レビンソン
Marc Levinson
訳者: 村井 章子
ISBN: 4822245640
出版: 日経BP社
定価: 2,940-円(税込)
原書の書名は THE BOX っていうんだから、ただの「箱」といことになるのだが、それじゃあまりにも素っ気ないというわけで.......物語なんてことになったんであろう。
本書はコンテナを描いた最初の本だそうだが、全447頁の89頁分が索引、参考文献と原注(もちろん、全て英文)という労作、実に渋い本なのだが、これがなかなかの面白さなのだ。
何事もその始まり、歴史はある。
コンテナは、1950年代一人の実業家の発想から始まった。小さなトラック運送業者上りのマルコム・マクリーンが米東海岸の沿岸貿易に手を出した時に始まったのだ。
出港地に到着したトレーラーのトラックを残してトレーラー(荷台部分)だけを船に載せ、荷揚港で船から下ろしたトレーラーを空のトラックが牽引していくという方式を考えたのだ。ところが、このアイディアはその実現以前に進化してしまった。トレーラーに付いている車輪部分が余計ではないかと考えたのだ。トレーラーのボディ、箱の部分だけを船で運ぶようにする.......それならば容積は1/3減、その上、積み重ねる........ことも出来る。
これがコンテナの始まりだ。法的規制、既得権益にがんじがらめの世界をかいくぐってこのアイディアが拡がっていく。彼はコンテナという箱を発明したのではない、それは既にあったものだが、一実業家の事業欲というべきものがコンテナを使う世界を作り出したのだ。
マルコム・マクリーンの先見性は「.........海運業とは船を運航する産業ではなく貨物を運ぶ産業だと見抜いたことである。.......」とある。このコンテナリゼーションはただの箱から貨物を扱う新しいシステムへと進化していくのであった。今や、たった50年しか経っていない我々の世界を変えてしまった。それは中国・東南アジア・中南米を世界の工場と化して、その経済を急成長させた。そして、私の着るシャツをホンジュラス製にしてしまったのである。
ジョブズ率いる Apple が今や成功を収めつつある世界「音楽産業とは........」は、この「........海運業とは......」と同じ脈絡の中にあるのだ。
segway さん、はじめまして、こんにちは。
現代のコンテナーの箱の規格はじょじょに構築されたのでありましょう。
面白いのは最初からの「互換性」ですね。使われたトレーラーが第二次世界大戦で使われた軍用車の払い下げだったことから、トレーラーのトラックと牽引する箱の部分の互換性があったから、こんな考えがでてきたんだろうと想像しています。
初めましてsegwayです。
コンテナの大きさには、規格というか標準の寸法があるようで、
計画的に積み込むことが出来るような仕組みがあるみたいですね。
そうすると陸運するトラックまで標準化出来てしまうようで・・・。積み重ね方にもしっかりルールがあったりして、
標準と仕組みとルール・・・。目指す事がこの分野にも存在していたなんて・・・。