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ヤバい経済学

BOOKS

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ヤバい経済学─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

著者: スティーヴン・レヴィット & スティーヴン・ダブナー
 Steven D. Levitt & Stephen J. Dubner
訳者: 望月 衛

ISBN: 4492313656
出版: 東洋経済新報社
定価: 1,890-円(税込)

いやぁ、ひさしぶりに面白い読書であった。
私は「ヤバい」という言葉にはあまり馴染みはないが、原題は「FREAKONOMICS」、フリーク.....まぁ、「オタク経済学」てなところなのであろう。

世の中の事象、その全てを経済学的な視点をもって分析していく、若き経済学者スティーヴン・レヴィットの目は鋭く、その隠された断面を明らかにしていく。そして、ジャーナリスト・スティーヴン・ダブナーの語り口は実に巧みだ。

今、話題の八百長相撲の話しから.......90年代の米国の犯罪数が減少したのは何故か......そして、完璧な子育てとは.........面白いぞ。


目次
説明のためのノート
    この本がどうやってできたか、
序 章 あらゆるものの裏側
    この本のさわり:道徳が私たちの望む世の中のあり方についての学問だとすると、経済学は実際の世の中についての学問だ。
第1章 学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?
    インセンティブの美しさとその暗黒面であるインチキを追求する。
第2章 ク・クラックス・クランと不動産屋さん、どこがおんなじ?
    情報は最強の力である。とくに悪いことに使うときは。
第3章 ヤクの売人はどうしてママと住んでるの?
    通念なんてたいていは張り巡らした嘘と、私利私欲と、ご都合主義にすぎないことについて。
第4章 犯罪者はみんなどこへ消えた?
    犯罪のウソとマコトを仕分けする。
第5章 完璧な子育てとは?
    差し迫った疑問をさまざまな視点から追求する:親でそんなに違うもの?
第6章 完璧な子育て、その2−あるいは、ロシャンダは他の名前でもやっぱり甘い香り?
    親が子供にする最初の儀式、つまり赤ん坊に名前をつけることの大事さを測る。
終 章 ハーヴァードへ続く道二つ
    データの信頼性が日々の偶然に出会う。
謝辞
「ヤバい経済学」のなにがどうヤバいのかー訳者のあとがきに代えて
付注
索引


「第3章 .........」の中に、こんな記述がある。

「.............たくさんの人がやれる仕事は、普通、給料が悪い。これは給料を決める四つの重要な要因の一つだ。他の三つは、その仕事に必要な特殊技能、その仕事のつらさ、そしてその仕事が提供するサービスに対する需要である。
 こうした要因の微妙なバランスを考えると、たとえば、典型的な売春婦が典型的な建築家よりも稼いでいるのがどうしてかわかる。一見、そんなの間違っていると思うかもしれない。建築家のほうが高度な技術(「技術」を普通に言うときの意味だとして)を要求されるようだし、(やっぱり普通の意味で)勉強もしているはずだ。でも、ちっちゃい子が売春婦になりたいと夢見て大きくなることはないので、売春婦の潜在的供給は相対的に限られている。彼女たちの技術は、まぁ「専門的」というわけではないかもしれないけれど、とても特殊な状況で用いられる。仕事はきついし、少なくとも二つの重要な点で近寄りがたいー凶悪犯罪に巻き込まれる可能性があることと、安定した家庭生活を得る機会が失われることだ。では需要は? ま、建築家が売春婦を呼ぶことのほうがその逆よりも多いとだけ言っておこう。
 ....................」

どうです。面白いでしょ。全編こんな調子の面白さなのだ。

Posted by 秋山東一 @ March 2, 2007 08:12 AM
Comments

皆様、どうもです。
とても面白いですよ、ぜひぜひ、お買い求めいただいてお読みくださいませ。
かの山形浩生さんも絶賛です。
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20061122/p1
http://cruel.org/asahi/ronzayabai.html

Posted by: 秋山東一 @ March 4, 2007 06:11 AM

Aki先生、どうもです。
あまりに面白そうなので、購入させて頂きました。
届くの、楽しみだなあ、です!

Posted by: yoko-m @ March 2, 2007 06:24 PM

『んぅ~。』、面白すぎます
(流れるように『... ...』を読めてしまい本編もこんな感じであれば
『ウフフッ』です.....笑)。

Posted by: たかさん @ March 2, 2007 11:13 AM