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ガラパゴスの箱船

BOOKS , THINK

ずいぶん昔の愛読書だが、今は文庫本だ。

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ガラパゴスの箱船 GALÁPAGOS
ハヤカワ文庫SF
カート・ヴォネガット Kurt Vonnegut /著 浅倉 久志/訳


ISBN: 4150111189
出版社: 早川書房
価格: 861-円(税込)

なんたって、100万年後の人類の進化が題材のフィクション、それが、1986年に起きた南米エクアドル崩壊の直前、諸々の事情の中でガラパゴス諸島遊覧の客船バイア・デ・ダーウィン号で、ガラパゴス諸島に漂着した男女が、ダーウィンの進化論そのままに進化を果たすのだ。その状況、小道具、舞台仕立て、その語り手にいたるまで、カート・ヴォネガットに抜かりはないのだ。

カート・ヴォネガット Kurt Vonnegut は大好きな作家だ。

彼は現代アメリカ文学の代表的作家といわれている。同氏の作品の中で、「ガラパゴスの箱船」が一番好きだ。こりゃ、今まで一番面白かった本って何って聞かれたら、こいつだって言うと思うね。カート・ヴォネガット本人が、本書が最高傑作と言っているくらいなのだ。

次作、1997年の「タイムクエイク TIMEQUAKE」を最後に断筆した。

Q : これからはなにをして過ごしますか?

A : 絵を描いたり、ニューヨークのラジオ公共放送局からたのまれた短い文章を書いたり。世のなかにはひまつぶしの方法を知らない人もいる。わたしは知っている。またたくまに一日はつぶれるんだ。


そのカート・ヴォネガットの近況と、最新コラムを翻訳されて掲載しているブログがあった。
今、82才だそうだが、彼のすばらしく過激な発言が日本語で読めるのだ。

暗いニュースリンク: カート・ヴォネガットの最新エッセイ集が米国で発売
暗いニュースリンク: 「I Love You, Madame Librarian」byカート・ヴォネガット
暗いニュースリンク: 「終末は近づいている」byカート・ヴォネガット

この「暗いニュースリンク」なるブログ、どこのどなたか知らないが、たくさんの報道されないニュースを翻訳して読まさせてくれるのだ。要チェック、ブックマークなのだ。

ブッシュ政権とテロ警報......イラクの米軍基地を支えるアジアの貧困層......自由なアメリカ:反ブッシュ写真の現像をウォルマートに持ち込んだ高校生、店員に密告されシークレットサービスから尋問......バート・バカラック、最新アルバムでブッシュ批判「言わねばならないことがある」.................

Posted by 秋山東一 @ October 18, 2005 07:44 PM
Comments

fuRu さん、どうもです。
カート・ヴォネガット(ボネガット)が亡くなったこと存じております。まぁ、ずいぶんと昔に断筆されておられるわけだが、ちょっと一冊、ご冥福を祈り読んでみようかな。
最後の、そして最新のエッセイ集「A Man Without a Country」を浅倉久志訳で早く読みたいものです。

Posted by: 秋山東一 @ April 13, 2007 10:36 AM

ご冥福をお祈りします。
http://www.asahi.com/international/update/0412/TKY200704120173.html?ref=rss

Posted by: fuRu @ April 13, 2007 09:43 AM

カート・ヴォネガットの翻訳書って、みんな浅倉久志訳で早川からでているんだけれど、分類はSF、装幀はいつも和田誠なんだ。
これって、「和田誠のSF本」になっているような、一つの色眼鏡で見られている感じで、なんとなく損してるみたいな感じがするなぁ。

Posted by: 秋山東一 @ October 18, 2005 08:52 PM