050517

やりなおし教養講座

BOOKS

4757140851.jpgやりなおし教養講座

著者: 村上陽一郎


ISBN: 4757140851
出版: NTT出版
定価: 1,600-円(+税)


この題名だけで読みたくなくなった人もいるであろうが、私は「教養」も「講座」も、それほどきらいではないのである。

ICU教授の村上陽一郎氏が「教養」とは何たるかを、リベラル・アーツ liberal arts の歴史、氏自身の体験を、気軽な口調で語っていく。その語り口は「教養」に充ち満ち、大正時代の教養人としての父君について、氏の読書遍歴などその蘊蓄満載である。「教養の原点はモラルにあり」という序章の通り、自分に課すべき何かを問うことが繰り返される。

「教養」とは何か、氏の答えは「規矩」という言葉と、「Bilden」というドイツ語に集約させる。規矩とは社会生活を適切に営む上で自分自身に課する規則とか決め事、Bilden とは、英語で Build であり、日本語に訳すと「建てる」という意味だ。村上氏は「教養」とは「自分を建築する」ことである、と述べている。

「規矩」とは私にとって初めての語句であった。
広辞苑によれば、き・く【規矩】(1)(「規」はコンパス、「矩」は物さしの意)手本。規則。「ー準縄じゅんじょう」(2)規矩術に同じ。

Posted by 秋山東一 @ May 17, 2005 05:09 PM
Comments

tonny さん、aneppe さん、コメントありがとうございます。

私、恥ずかしながら、本書で初めて Liberal Arts という言葉を知ったのでありました。
そして、東京医科歯科大学では教養教育としての、その伝統が残されていることを知って、これ又、勉強でありました。

aneppe さん、この本って、まったく難しいなんてことありません。寝転がって読むような気楽さです。

Posted by: 秋山東一 @ May 21, 2005 07:53 AM

読みたい本リストの中にいれてあります。

だいぶ前のことですが、村上先生の穏やかな語り口で、
お父さまが亡くなったときの悲しいエピソードをきいて、
先生の本が読みたくなり、挑戦しましたが、
難しくて挫折しました。
この本は読めるのだろうか・・・!?

Posted by: aneppe @ May 19, 2005 02:22 AM

東京歯科大学教養学の部長さんの挨拶でこの本のことが取り上げられていたようですね。

http://www.tmd.ac.jp/artsci/kyouyouHP/LiberalEducTop2.htm

Posted by: tonny @ May 18, 2005 07:22 PM