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新潟中越地震 /小国町レポート

THINK

新潟中越地震で震源地に近く、当初情報がなく心配された小国町、そこの出身のOMソーラー協会のスタッフ、建設部・設計課の高橋貴大さんによる現地レポートだ。

メーリングリストに発信された内容を、本人のご了解のもと、公開させていただいた。


From: 高橋貴大
Subject: [volkshaus_a][00019] 新潟中越地震レポート
Date: 2004年 11月 1日 16:12:49 JST

OMのタカハシです。

タカハシは新潟中越地震の救援のため、昨夜まで新潟の実家におりました。
余震もゾンブンに体験して参りました。

先日投稿したとおり、実家は震源のすぐ隣の小国町で、地震発生時にライフラインや通信手段が
寸断され、救援の要請も状況の報告もできなかったようです。
そのためニュースでは取り上げられない空白地となり、電話回線の復旧とともに各所から
安否確認が殺到したようです。

兄からの連絡ではどの程度被災しているのかわからないので、自分の目で確かめに行くこと
にしました。
10/26火、救援物資と人手を満載した車で、10時間かけて被災地入りしました。
到着した被災地は、電灯が点いていないので真っ暗闇。
外部の様子はよくわからなかったんですが、実家の中に入ると物が散乱し、食器が割れ、
家具が倒れたり、壁が落ちていたり割れたりと悲惨でした。
筋交いが外れて、突き破った壁などをみると相当な地震力を受けたようです。

日が明けて、外の様子を見ると石垣が崩れ、土手が落ち、建て増ししたサンルームの基礎が
先端で5cmほど落ちているのがわかりました。
幸いにも母屋の基礎は、仕上げモルタルの剥離しかなく、不動沈下は見受けられませんでした。

本震を体験した人たちは皆、余震の震度が低くても瞬間的に凍りつき、家から飛び出したり、
悲鳴をあげるなど、死者や負傷者は少ないのですが、心的外傷を受けていることがわかります。

被災地の中で、人々の不安や不満もわかり、次に起こるであろう東海地震や東南海地震の
対策をしなければならないと思い知らされました。
震源の小千谷市は人口4万人程度で、あのように避難生活が混乱しました。
物資の備蓄がない都市部では、行政任せでいたのでは、今回と同じくジリ貧の状況となるでしょう。
浜松市は60万人、名古屋市は220万人、東京都は区部だけでも839万人です...。

通常の地震であれば、1週間ほどでライフラインが復旧するでしょうから、最小限それだけの
食いぶちと水の備蓄をお勧めします。
ただ、それも倒壊しなければの話です。

建てることも学ばなければなりませんが、壊れることこそ知らなくてはなりませんね。

写真をフォトアルバムに、まもなくUPします。

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Posted by @ November 2, 2004 09:23 AM
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