040614

T-34 TANK

BOOKS , TANK

t-34_book_01.jpg

僕はタンクが好きである。
しかし、別にミリタリアンというわけではないし、戦史研究家でもないし、プラモデル好きというわけでもない。
タンクというメカニズム、機械、工業製品を考察することが好きなのである。

それに、なんでもかんでもタンクならなんでもいいというわけではないのだ。
唯一、僕は T-34 というタンクが好きなのだ。

T-34 (「てぃーさーてぃーふぉー」という)という、旧ソ連の第2次世界大戦のタンクが好きなのだ。なんと云われようとも一つの工業製品であり、一つメカニズムであるこのタンクにぞっこんなのだ。第2次世界大戦の最優秀のタンクであると同時に、世界で一番たくさん作られたタンクなのだ。

かって T-34 について信頼のおける一般書として、こんな本があった。1973年出版の本だから、とうに古本屋アイテムなのである。邦題の「無敵.......」はなんだか恥ずかしいが、マニアックな雰囲気を微塵も感じさせることのない学術的にして啓蒙的な内容なのである。



T-34.jpg無敵!T-34戦車/ソ連軍大反攻に転ず
著者 ダグラス・オージル/加登川幸太郎 訳
第二次世界大戦ブックス(47)

出版社 サンケイ新聞社出版局
定価: 600-円

Douglas Orgill/T-34: Russian Armor
Ballantine's Illustrated History of World War II, Weapons Book #21 / New York: Ballantine, 1971
の翻訳本なのだ。

その中の一節を、ちょっと長いけれど引用してみよう。

..........戦争中に、イギリスの戦車技術学校で、T-34を非常に詳しく点検したことがあった。エンジンについて、その報告書にこう述べられている。 「仕上げの程度は、部分によってかなり違っている。非常に重要な部品の仕上げは、わが国の航空エンジンに比べるほどよく仕上げられている。 これに比べて、鋳造の作業は、雑なようである。 だが、作業は雑なようでも、これで十分と思われる。製品の表面には孔とか気泡などの傷跡はまったく見られない。 重要なボルトや鋲などには、優れた品質の材料が使われており、磨き上げられている。 ある種の部品では、仕上げの規格が非常に高い。ある部品には、数おおくの点検が行われた認証が目につく.........」 この報告の最後の評価は、いってみれば、コーシキンと彼のチームにたいする賛辞となっている。彼らこそ、戦車の設計において根本的に重要なことに努力を集中した技術者であり、また重要なことがなんであるかについて、比べられないほど、明確に理解していた人たちだったからである。 さらに報告を、こう続く。 「この設計は、威力ある戦車に必要な諸元と、戦争が要求するものとを明確に理解し、これが正しく、ソ連軍兵士の素質、地形、使用可能な生産施設という特性に適合されたものであることを示している。 ソ連はごく最近になって工業化されたことや、その工業地帯の多くの地域が敵におびやかされることを考えると、これほど役にたつ戦車を設計し、またこれほど多数生産したということは、技術的業績としては、第一級のものといえる..........」

コーシキン M.I.Koshkin、彼はT-34の設計者だ。この技術者と彼の作り出した機械へのこの賛辞はすてきだ。
建築家、建築設計者にとってもこの賛辞は無関係な話しではないはずだ。

Posted by @ June 14, 2004 10:24 PM
Comments

T-34は僕も大好きです。
僕の場合には田宮のプラモデルからなのですが
そんなことはともかく
同時期のドイツがやたらめったら次々と新しいTANKを、
それもどんどん巨大化したものを開発していったのに対して
ロシアはT-34ほぼ一機種でWW-2をたたかい抜いたわけです。
それだけ優秀なTANKだったのだと思います。
しかし、T-34はきれいなフォルムをしていますよね。

Posted by: furu @ June 15, 2004 04:38 PM