030604

航研通りの家

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山手通りを青葉台方向から松濤をかすめてまっすぐ向かうと、大きな三差路にぶつかる。
ここで山手通りは右方向に、井の頭通りの交差点へと向かう。左に向かう道は東大駒場のグラウンドに沿ってまっすぐとのびている。
近代文学博物館、日本民芸館のある駒場公園は左にちょこっと入った所、東大先端科学技術研究センターはこの道沿いにある。そのまま真っすぐ行くと、三角橋という信号から急に細くなって小田急線東北沢の踏切りに向かう。
その三角橋までは両側に歩道も構えて立派な山の手の道という雰囲気なのだ。
今の東大先端科学技術研究センターは、昔、東京帝國大学航空研究所(あの航研機の)だった。その頃から、この通りを「航研通り」と呼ぶようになったのであろう。
その「航研通り」沿いにこのバラックはある。
小さな木造、奥行きの小さな3階建て、吉野という畳屋さんの店舗なのであろう、大きな看板がでている。表面の仕上げはバラックの定番、トタンの波板のペンキ仕上、ほぼ左右対称のファサードは、凛としてまわりの新しい建物に負けていない。
その堂々とした左右対称も、正面左手の2,3階がキャンティ(片持ち)となっていて、その対称形をくずしているのが、なかなか曲者なのである。いつ頃からあるのか定かではないが、戦後すぐからあるのであろう。
この「航研通り」にアパレル業界の人たちが、かっこいい建物を建て始めた頃、「コスモス通り」とか名付けて流行らせようとしたが、いつのまにか立ち消えていった。
そのアパレルの建物でさえ、使われなくなったり取り壊されたりと、時代は変わっていく。

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Posted by @ June 4, 2003 11:48 AM
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