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Märklin 54770

MODEL RAILROAD

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先に到来した Märklin MAXI の冷蔵車である 54770 は予想外の物であった。

屋根部分がプラスチック製であることは承知していたが、足回り部分、二軸の車台部分もプラスチック製で、これは Gauge 1 、1番ゲージの車両の仕様の製品であった。
ブリキ製部分がメインなので、MAXI シリーズとして登場させたというのかなと想像している。

MAXI 車両とはホィールベースも異なり、全体に玩具っぽくない模型のプロポーションなのだ。

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プラスチック製の車台部分は1番ゲージの車両と共通ではないかと思われる。

バッファーは金属製ではなくプラスチック製、しかも、スプリング内蔵の可動型だ。

純正のアーノルド型の連結器は早々に取り外してあるが、換装する HORNBY type 連結器の装備方法も新しく考える必要がある。

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ブリキ玩具、Tin Plate 製は、プレスとプリントの出来が重要だ。

この Märklin 54770 のそれは、この通りの見事さだ。

金属板プレス表現は冷蔵ドアと付属金物部分のみだが、プラスチックや金属ダイキャストのエッジの立った形にはなりえないから、柔らかな控えめな表現……、これは上品というか、気品まで感じる。……素晴らしい。

そして、プリント、この繊細なシルク印刷……、これ又、すばらしい。

・ ・ ・ ・ ・

我が鉄道 ARR に Märklin Gauge 1 の車両を導入しようと考えたことはなかったが、図らずも、この Märklin 54770 によって実現してしまった。

めでたし、めでたし。

Mark-54770_1.jpg


このプリント部分に注目だ。

他の車両にも同じ表現があったのだが、金網状の部分の裏に四角い物がある……、それも無造作に放り込まれているという絵画的な表現がなされている。

これは送り状とかの書類を入れておくフォルダーなんじゃないかと想像している。本物の車両でもその存在を確認済みだ。



Posted by 秋山東一 @ December 24, 2022 12:45 PM | TrackBack (0)
Comments

玉井さん、ありがとうございます。
私の模型や玩具についてのスタンスを、肯定的に解釈していただいたようで感謝です。思想のプロポーション……、研鑽いたしますです。

Posted by: 秋山東一 @ December 25, 2022 10:31 AM

なるほど、いろいろなことを考えさせられました。

最後の、小さな格子の奥に無造作に放り込まれた書類と思しき白い長方形という表現が、とりわけ印象的です。
かつて技術の最先端であった鉄道というシステムの中でも先端にあったであろう冷凍車の角っこに、積荷についての情報が書かれたものか投じられているとすれば、この過酷な物理的環境に耐え、重要な情報を護る容れものは、一体どんなしかけだったのか。
わざわざ格子にしてあるのは、色によってブツの何者であるかを伝えたのではないか・・想像は拡がってゆきます。

ブリキ模型の王道からすれば邪道である プラスティックという素材の使用も、こうした緻密さから想像すれば鋳物よりも精度の高い可塑性を追求した結果なのだろうと信じたくなります。
プラスティックの重要な欠点である材料の不可逆製も、小ささと美しさゆえに許容されると思わせます。

秋山さんのゾッコンのほども納得させられます。
模型というものは、かたちに加えて 物事のありようや思想のプロポーションが魅力を決定するものなのですね。

Posted by: 玉井一匡 @ December 25, 2022 08:27 AM
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