秋山建築学校 Vol.10 in 鹿児島 | [ Architecture , BeV Standard , Event ] |
Photo by Tanaka
12月11, 12, 13日ともくよう連の若手グループ「チーム次世代」による秋山建築学校第10回が鹿児島で開かれた。
11, 12日はいつもの見学・即日設計発表講評、ホスト工務店は次世代メンバーの有村君の鹿児島県姶良市の創建だ。
そして、13日はオプションとして鹿児島・シンケンが予定されている。
翌12日は創建本社にての即日設計、発表・講評の儀……、写真はその時の写真だ。
計画地は、甲突川沿いの道と、もう一本の道に挟まれ、ケーキの1片みたいな三角形の敷地だ。
三角形の頂点に車アプローチがあり、北東側に眺望が拡がる面白い敷地とみた。
しかし、生徒達の計画は、皆、南に背を向け眺望方向に開く案ばかり……、南に背を向けるばかりか尻まで向ける……、これはダメだと思った。
日本の家のあらまほしき姿は「日当りよく、風通しよく」であることを、今更言わねばならないとは思わなんだ。
今回、シンケン見学の最初は与次郎ヶ浜のモデルハウスだった。
迫さんとの付き合いの最初は、1991年に、この展示場に最初の在来工法によるシンケン・モデルハウス建設に関わった時からだ。今のモデルハウスは三代目ということになる。
その時、ハウスメーカーのモデルハウスはアプローチ側の道路に面して玄関と居間を設けていることに気付いた。これは、北側道路の北入り……、悲惨なことになる。
中に入れば冷え冷えとした居間の風景が拡がる。そして、反対に日当りのよい浴室、洗面所、便所が存在する。
今回、この世界は今もって変わっていないのを……、確認したのだ。
「北庭は美しい……」なる造園屋の話にごまかされていても困る、生活は景色だけ眺めているだけではない。
翌13日は、鹿児島市内の与次郎ヶ浜の住宅展示場、シンケンのモデルハウスへ向う。
急遽、大阪から飛んでこられた木村工務店の木村社長とご子息もここで加わった。
「二階をいじってあります」なる迫さんのお言葉に上がってみれば、なるほど……。
どんなところでも新しい居場所を作ってしまう迫さんの真骨頂、築20年になる三澤文子さんとのこのモデルハウスの隅に新しい部屋ができていた。
それを楽しげに説明してくれる迫さん、それを聞く木村さんと私もご機嫌だ。
この空間、東からの朝の光を浴びて……、楽しげだ。
前日の即日設計の生徒達の案を思い出し、こんなところを学ばせねばと思ったのだ。
その日一日、迫さんの案内でシンケンの仕事を沢山拝見した。
その最後は、シンケンの「みかんのおか」を訪問、まだ未完の世界であっても、スタッフの元気に満たされ、シンケンの今を垣間見ることができた。
そして、仕事場の中のバーカウンター、迫さんはじめスタッフの皆さんとの交流会……、大いに充実した時間であったのだ。
その時、木村さんとの雑談の中での「フォルクスハウスというOS」というお言葉……、ちょっと私めを打ちのめしてくれたのだ。
そして、みかんのおか至近の空港、最終便での羽田……、ちょうど金曜日、忘年会シーズンの通勤電車は満員……、八王子の家には翌日14日になっていた。
やぁ、疲れた……。