バカロレア幸福論 | [ BOOKS ] |
本書は、バカロレアが何たるか……に始まり、そのディセルタシオンの学習参考書に書かれている解法……、その汎用性を解説し、その術をもって幸福論で練習するという構成なのだ。
その肝の部分は、Chapitre2、第2章の「思考の型」を身に付けて「自分で考える」ようになるというところにある。
そう、「思考の型」こそ全ての世界に繋がる知恵なのだ。
1 自由に書くのではなく「型」を守って書く!
2 持ち時間の半分は考える時間である!
3 問題の中心的なテーマをまず理解する!
4 動詞や副詞のちょっとした違いに敏感になろう!
5 質問のバリエーションを知っておけば考える時間が節約できる!
6 ひとつの問題を複数の問いの集まりに翻訳すれば、考える道筋が見えてくる!
7 書く前にスタートからゴールまでの道筋を決めてしまおう!
8 部分の「役割」を意識すると、思考の流れは驚くほどスッキリする!
9 「権威」を引用して、使いこなせ!
10 自分の意見と反対の意見をまず検証しよう!
何か、見えてきますね。……私には建築設計手法が……。
まぁ、本書の「幸福論」は、その思考の型のレッスンなのだ。
Chapitre1
フランス人は大学に入るために、幸福について考える
―バカロレア哲学試験とは何だろうか?
(フランスの「大学入試」バカロレア;コースで中身が大違いのバカロレア ほか)
Chapitre2
「思考の型」を身に付けて「自分で考える」ようになる
―バカロレア哲学試験で学ぶ思考の方法
(学習参考書は考えるヒントの宝庫;「思考の型」を自分のものにするために ほか)
Chapitre3
幸福とは何だろうか?
―フランスの高校生が学ぶ哲学
(幸福とは何か?;幸福は個人的なものか、集団的なものか? ほか)
Chapitre4
現代人の幸福に関する悩みを考えてみる
(「卑怯だろうが卑劣だろうが、幸福になれれば勝ちなのか?」;「孤独のなかで幸福でいられるのだろうか?」 ほか)
おわりに
もっと知りたい人のためのブックガイド
あとがき