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バカロレア幸福論

BOOKS

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バカロレア幸福論 フランスの高校生に学ぶ哲学的思考のレッスン


著者: 坂本尚志


ISBN: 978-4065112328
出版: 星海社

価格: 994-円(税込)

「幸福論」に興味を持ったわけではない……、バカロレアなるフランスの大学入学資格試験(まぁ、フランスではこの資格でどこの大学にも入学できるそうだが……)その試験の哲学の試験なるもの、哲学小論文( Dissertation ディセルタシオン)に大いに興味ひかれたのだ。

本書は、バカロレアが何たるか……に始まり、そのディセルタシオンの学習参考書に書かれている解法……、その汎用性を解説し、その術をもって幸福論で練習するという構成なのだ。

その肝の部分は、Chapitre2、第2章の「思考の型」を身に付けて「自分で考える」ようになるというところにある。

そう、「思考の型」こそ全ての世界に繋がる知恵なのだ。

 1 自由に書くのではなく「型」を守って書く!
 2 持ち時間の半分は考える時間である!
 3 問題の中心的なテーマをまず理解する!
 4 動詞や副詞のちょっとした違いに敏感になろう!
 5 質問のバリエーションを知っておけば考える時間が節約できる!
 6 ひとつの問題を複数の問いの集まりに翻訳すれば、考える道筋が見えてくる!
 7 書く前にスタートからゴールまでの道筋を決めてしまおう!
 8 部分の「役割」を意識すると、思考の流れは驚くほどスッキリする!
 9 「権威」を引用して、使いこなせ!
10 自分の意見と反対の意見をまず検証しよう!

何か、見えてきますね。……私には建築設計手法が……。

まぁ、本書の「幸福論」は、その思考の型のレッスンなのだ。


目 次
はじめに

Chapitre1

フランス人は大学に入るために、幸福について考える
バカロレア哲学試験とは何だろうか?
   (フランスの「大学入試」バカロレア;コースで中身が大違いのバカロレア ほか)

Chapitre2

「思考の型」を身に付けて「自分で考える」ようになる
バカロレア哲学試験で学ぶ思考の方法
   (学習参考書は考えるヒントの宝庫;「思考の型」を自分のものにするために ほか)

Chapitre3

幸福とは何だろうか?
フランスの高校生が学ぶ哲学
   (幸福とは何か?;幸福は個人的なものか、集団的なものか? ほか)

Chapitre4

現代人の幸福に関する悩みを考えてみる
   (「卑怯だろうが卑劣だろうが、幸福になれれば勝ちなのか?」;「孤独のなかで幸福でいられるのだろうか?」 ほか)

おわりに

もっと知りたい人のためのブックガイド

 あとがき


Posted by 秋山東一 @ April 17, 2018 02:37 PM | TrackBack (0)
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