0番の箱 | [ TOOLS ] |
伊勢志摩の旅行から帰ってきた。
いつものことだが、お土産を持ち帰ることはないが、何かを拾って帰ることはある……。
今回、こんな箱を連れて帰ってきた。
二日目の昼はカキ小屋、伊勢志摩は鳥羽の名産「浦村かき」で知られる本浦の「モトかき養殖場」だった。まぁ、カキ小屋の昼食はカキ満漢全席の趣、たらふくカキを食したのだが、この箱の話とは別だ。
カキ小屋に向うべくバスを降立った時に、道路脇のゴミ捨て場にこの箱を発見したのだ。
この箱が優れたものであり、収集する価値があるものであるということは瞬時に分かった。
箱はラワンの板で製作、外側寸法で幅60cm奥行40cm深さ10cm、外側に把手として2×3cmの角材が付くが、上面から1mm下げて取付け……、プロの使い勝手への配慮だ。
全て、熟練した職人の仕事……組手、釘頭も栓で化粧されている。底板も同じくラワンの板材だが、さねが切ってあり面全体で内容物を支える形になっている。
何か、仕出屋の通い箱……という感じ、プラスチック製の物に更新……というような理由で捨てられたのであろう。
他の仕様のものもあったが、0なる数字がゴム印されているものだけが優れていたのだ。
私の手元にあって、この二つの0番の箱達は幸せである。ちょっと整備して何かの収納容器に使うつもりだ。
今回の伊勢志摩旅行は、もくよう連の皆さんとチーム次世代の皆さんのご招待、一泊二日の伊勢志摩旅行だったのだ。
今回初めての伊勢は、芸大三年の古美術研究旅行……という修学旅行での最初が伊勢だったのが、設計課題ビハインドで行けなかったというトラウマがあったのだ。
皆さんのお陰で、半世紀経って解消……、皆さんに大いに感謝なのだ。
この箱が、番重 (ばんじゅう) なるお道具であることを、Miwa Ikeuchi さんから FB 上で教わる。
寸法、構造とも、木製のばんじゅうの定番のように思える。