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日本劣化論

BOOKS

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日本劣化論
ちくま新書

著者: 笠井 潔/白井 聡


ISBN: 978-4480067876
出版: 筑摩書房

定価: 907-円(税込)


広島での挨拶をコピペですませた日本国の総理大臣は、長崎でも同じくコピペですませた。このように確信的に同じ事を繰り返して、それを正当化するというフロイド的概念があると聞いたが、氏が正当化したい太平洋戦争……、それも繰り返すのではないか……、恐ろしい限りだ。

今、日本国で起きている事象の全てに通底するものは何か……、そんな問題意識を持って本書を手にとった。

このお二人の対談……、私にとって初めて読む方々だが、その親子程の年齢の差を超えて、深く鋭く解明していくのだ。


目 次
はじめに 白井聡

第一章 日本の保守はいかに劣化しているのか

安倍政権は「戦後レジーム」を脱却する気があるのか
アメリカにも嫌われつつある?
アメリカによる日本のデモナイズ化
安倍は旧来の自民党とどう違うのか
ネトウヨレヴェルの総理大臣
世代交代で常識が通じない
アメリカはわかってくれない!
日米開戦時のディスコミュニケーション状態に
日本の排外主義の独自性
本当に経済は上向いているのか
財界も経済優先にすらなれない

第二章 日本の砦 アメリカと天皇

天皇の意思からアメリカの意思へ
日本の劣化をくいとめる天皇
現在の日本はアメリカ幕府
アメリカへの怒りと憧れ

第三章 アジアで孤立する日本

中国朝鮮への「負け」を認められない日本
戦争経験と対中認識
冷戦後のアジアでの立ち振る舞い方とは?
「自虐史観」はなぜ間違っているのか
いつまでもアジアに謝罪しなければいけないのか
ヨーロッパとアジアとの比較
日本と中国は軍事衝突するのか
朝鮮半島まで火の粉は飛ぶのか

第四章 右と左がどちらも軟弱な理由

世界的なファシズムと日本型の違いとは
剥奪感の先にあるもの
ニヒリズムは体制を破壊するのか?
社民的なものの退潮
左派衰退はマルクス主義のせい?
まじめが取り柄の社会運動
社会主義って日本ではどうなったの?
加害者性では強固な連帯はできない
すべては経済が解決してくれるわけはない
社会が変わるというダイナミズム

第五章 反知性主義の源流

すでに知性は死んでいる
先行き不透明な子供の国
八九年という転換点
被害者面する知識人

第六章 独立という思想へ

普天間移転が強引な背景とは
近代をつくりあげた世界戦争のルール
世界国家アメリカの誕生
二一世紀に世界のルールはあるのか
世界国家はもう不必要
国家が存続する意味はあるのか
情報が膨大になり、機密が機密でなくなる時
防衛も完全民営化路線
資本と国家、先にどちらが音をあげるか
独立の思想へ

おわりに 笠井潔


Posted by 秋山東一 @ August 25, 2014 12:18 AM
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