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はじめよう、ロジカル・ライティング

BOOKS

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はじめよう、ロジカル・ライティング

著者: 名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校国語科
執筆協力: 戸田山 和久


ISBN: 978-4906519149
出版: ひつじ書房

定価: 1,728-円(税込)


やっと、こんな本……、教科書ができたのか……と思った。

今、文章を書く事に不自由することはないが、かって20代の頃、文章を書く事を不得手とし、原稿を書く事は苦行ともいうべきものであった。

中学校、高等学校の6年間で論理的な思考、論理的な文章記述の教育を受けたことはなかった。それが為に苦労した……というつもりはないが、一人一人が自主的に学ぶという過程よりも、学校教育の一環にあるべきではないか……と思う。

中学校は高校受験の為であったし、旧制中学の伝統残る高校での国語教育は高等遊民の為の国語教育……、決して、実用的な教育が成されることはなかったし、かえって実用自体を軽視する風潮があったように思える。

本書の執筆協力者である戸田山和久氏は本書の読者である中学生に向って、序文の中で、なぜ、論理的に物事を考え、表現しなければならないのか次のように記述している。

……思いきって単純に言えば、将来の「社会の担い手」になってもらうためです。自分たちの言いたいことをきちんと人に伝え、他人の考えをきちんと理解し、議論を通じて両者をすりあわせて、社会全体にとってよりよい答えを見いだしていく人たち。これが社会の担い手、市民です。そのためには、自分の意見をきちんと筋道立てて述べることはもちろん、弱い立場の人々の考えを代弁すること、そして、これまでの先人が考えてくれたことを利用して、さらにわれわれの考えを発展させていくことが必要です。
……

まぁ、安倍君の学力では無理と思われるが……。


目 次
序文
読者のみなさまへ 本書の構成と使い方
本書を採用してくださる先生方へ

第一部 ウォーミングアップ編
 はじめに 意見文とは
  1 どうして意見文を書かなくちゃいけないの?
  2 どんな意見文がいいの?

 第一章 「関係」を考える
  1 どのような文がわかりにくいか?
  2 文節の役割を見直そう―主語・述語・修飾語
  3 言葉と言葉の関係を考える1―文の骨組みを整える
  4 言葉と言葉の関係を考える2―語順の工夫
  5 あいまい文を避ける工夫
  6 つなぎの言葉を使いこなす
  練習問題


第二部 基本編
 第二章 意見文のつくり
  1 意見文に必要なもの
  2 「主張」・「話題」とは何か?
  3 「理由」とは何か?
  4 「説明」とは何か?
  練習問題

 第三章 「話題」と「主張」を書く
  1 どうやって「話題」をとらえるの?
  2 「主張」を伝えよう
  3 公共性のある「主張」をするために
  練習問題

 第四章 「理由」を書く
  1 「理由」を示す表現
  2 「理由」には何を書くの?―「理由」のなかみ
  3 「理由」を書く手順
  練習問題

 第五章 「説明」を書く
  1 「説明」がないとどうなる?
  2 「定義」と「解説」の表現
  3 「解説」の方法2―「例示」と「比喩」
  4 「解説」の方法3―「比較」と「分類」
  5 「解説」の方法3―「経過」
  6 「解説」の方法4―「言い換え」
  練習問題

 第六章 意見文をチェックする
  1 意見文のチェック・ポイント
  2 「話題」・「主張」を点検する
  3 「説明」を点検する
  4 「理由」を点検する
  5 「反対意見」を予想する
  練習問題


第三部 発展編―他者の成果を生かして考える方法
 第七章 他者の考えとよりよく関わるために
  1 「議論」とは何か?
  2 他者の意見にどのような態度で臨むか?

 第八章 要約から吟味、提案へ
  1 他者の意見へのアプローチ
  2 「要約」をしてみよう
  3 「吟味」をしてみよう
  4 「提案」をしてみよう
  練習問題

 第九章 データを使って立論する
  1 どんなデータが必要なの?
  2 データをどうまとめるか?
  3 データをどう比較するか?
  4 データをどう解釈するか?
  5 他の人がまとめたデータを使って立論するには


第四部へのブリッジ
 資料や他者の意見を取り込むために―引用の方法
  1 「引用」ってなに?
  2 引用のルールと方法
  3 信頼してよい資料、信頼すべきでない資料
  4 こんな場合はどう考えたらいいですか?


第四部 課題集

「意見文構成シート」の使い方
意見文構成シート
参考文献一覧
著者紹介


残念ながら、このような教科書で、ロジカル・シンキング、ロジカル・ライティングを学んだことはなかった。建築設計においても、このような教科書で教育を受けたことはなかった。

記述できることは、教育できる……、建築設計の教科書、それも基本を学ぶ教科書を作りたいと考えている。

Posted by 秋山東一 @ July 31, 2014 05:41 PM | TrackBack (0)
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