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海の授業

BOOKS

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海の授業

著者: 後藤 忠徳

ISBN: 978-4344024274
出版社: 幻冬舎
価格: 1,365-円(税込)

海……授業……、なんて本を読むなんて思ってもいなかったが、Facebook 上で佐塚昌則君が、booklog ブクログなるサイトで本書のレビュー記事を書いているのを知ったからなのだ。

レビューが特に面白かったというわけではないが、本書を書店で立ち読み……、目次、20, 21, 22 の津波についての話しに大いに興味を持ち、手にすることにしたのだ。

本書の題名「海の授業」や、目次の章立ての語り口が子供におもねっているような印象だが、本書は決して子供向けの……というわけではない、大人にとって易しく読める啓蒙書なのだ。それも、研究の最前線で活躍する著者、京都大学准教授の後藤忠徳氏の最新の知見に基づくホットなもの……なのだ。

amazon のカスタマーレビューには「お子様の夏の読書に...」とか「自由研究のテーマ探しにどうでしょう?」なるレビューがあるのだが、そんな親には、子供に読ませるより「自分で読め」といいたい。


目 次
   はじめに

 1.最初はマグマの海だった
 2.地球に海ができた奇跡
 3.地球以外の太陽系の星に海はないの?
 4.風が波を作り出す
 5.なぜ人は船酔いになるのか
 6.海は青色なの?
 7.海が青いので深海魚は赤い
 8.どうして海の水はしょっぱいの?
 9.海にはどれくらい多くの生き物がいるのか?
10.海には謎の生物てんこ盛り
11.海の底は平らなの?
12.海底の大山脈と大渓谷
13.世界一の山は太平洋にあり?
14.素潜りでどこまで潜れるか?
15.海はどんだけ深いのか?
16.世界一深い海に潜った男達
17.人魚姫や海底人はいる?
18.海底にはどれくらいの金銀財宝が眠っている?
19.脅威のハイテク、海の生物たち
20.なぜ津波は起きるのか?
21.津波の本当の恐さ
22.揺れを感じなくても津波はやってくる
23.人間は海底で暮らせる?
24.海底から宇宙へ
25.海に沈んだ都市に行ける?
26.伝説の「ムー大陸」は本当に実存した?
27.海の中の国境
28.海底の一部は実は陸地?
29.海賊の生活
30.調査船の生活
31.船上の独特な世界
32.どうやれば海の研究者になれるのか?
33.海を調べると何が分かるのか?
34.ロマンあってこその海の調査

   あとがき
   著者プロフィール


あとがきに本書を著述しようとした切掛けがブログだったことが書いてある。研究者としても生活、海洋調査船の日々、これらは人に知らせる価値があるのではないかと思って、2005年始めたのがブログ「海の研究者」だ。

そして、もう一つの切掛けが 3.11 東日本大震災での経験……、そこに地震、津波について最新の知見……、中味はホットだがクールな本なのである。

 ● 幻冬舎「海の授業」特集サイト
 ● 海底電磁気学のススメ:後藤忠徳

Posted by 秋山東一 @ October 4, 2013 12:59 PM
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