日本の民家一九五五年 | [ Architecture , BOOKS , Event ] |
3月5日に、その二川氏が80歳で亡くなられたと報道されたばかりだが、多くの来観者でいっぱいであった。
私めも GA には大いにお世話になったが、不勉強ゆえに、建築写真家・二川幸夫氏の原点が、この民家撮影であったことを知らなかった。
72点のモノクロームの大きな写真が、薄暗い中空に浮かび上がった会場はなかなかユニークな展示であった。やや、来館者の数が多くて回遊に渋滞……なところありではあった。
1955年の民家……、その群れた姿は美しく……、又、各個の凛としたディテールの姿には背筋が伸びる感……、大いに感銘を受けた。
ミュージアムショップにはハードカバーのものとペーパーバックとものとが並んでいた。
ペーパーバックス版は amazon で「普及版」と明記されているようだが、B4判の大判の写真そのまま、装丁だけが簡易版となったものだ。価格は5,460-円と3,780-円……もちろん、ペーパーバックス版を購入した。
やはり、大判見開きB3判の写真は大いに楽しめるものなのだ。最近の展覧会の図録は立派で、市販されるのを常としているが、今回の展覧会はオリジナルの写真集の復刻版をそれにあてているのだ。
これが、本展覧会オリジナルというべきか……、これが、展覧会のみならず写真集を読み解くのに大いに参考になるのだ。
1979年の「建築雑誌」に書かれたという、二川幸夫氏の「建築写真20年」なる小文は、氏が日本の民家を撮り始めて、建築写真に踏み込んでいった理由が分かる。「梁組み」なる伊藤ていじ氏の小文も又、二川の写真を語って余りあるものなのである。
そして、本展覧会の会場構成の任にあたられた建築家・藤本壮介氏の話にも共感するものがあるのだ。
飛曇荘B さん、どうもです。
やぁ、出かけられたのですね。さすが……です。その上、古書までゲットとは立派ですね。……うららの春、ご一緒したいものです。……いやでも。
iGa さん、どうもです。もちろん、毎度……です。
私は1959年の高二の夏休み、軽井沢・長野・新潟・新発田・会津・水戸の1000kmを自転車旅行しましたが、その時の農村は貧しかったですね。新発田、会津間なんて江戸時代だったような気がします。まぁ、民家を……なんて思いもしなかったなぁ。
上野でひらかれている高山周辺の円空仏展をさしおいてこの展覧会にむかいました。
板葺きや茅葺きの屋根、屋根にいろんなかたちがあって、実に堂々としてかっこよかった。
二川さんの建築写真の原点が高山の民家によってひらかれたのもうれしかった。
会場中ほどにあった「塩尻市、本山宿」の前後をみたくて古書『日本の民家 信州・甲州』を買いました。
宿への進入路は国道との分岐に「通り抜けお断り」の標識があって飛騨ナンバー車で入り込むには気が引けるので、うららの春に歩いてみたいと思います。
Amazonから届きました。奥付を見ると二刷りとなってましたから僕が行った時は図録を切らしていたのでしょう。
1955年は終戦から10年が経っているとはいえ、敗戦国の農村は貧しく、手入れも行き届かず...今でこそ陰影礼賛とかなんたらとか、単なる木造中古物件までが偽・古民家のレッテルを貼られているけれど、当時は忌み嫌われる表象として民家が位置づけられていた時代だったような...気もしますね。