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TALMETER MARKING MEASURE

TOOLS

TALMETER_0.jpg+
なんだか武骨な形態をしているが、スゥエーデン製の3mのコンベックスなのだ。

こんな風に立てて置いてあるのは、そんな置き方をするようになっているからなのだ。

ブランド名は TALMETER、タルメーターっていうんだろうか。ずいぶんと昔、元事務所スタッフの河合君からデンマーク土産としていただいた物である。

TALMETER_1.jpg


こんな風に使っている状態にすると分かるが、コンベックスの頂部が真っ平らなのだ。

それはともかく、緑色のロックボタンに白いスティールテープ、M目盛りだけだ。
Diameter とπ目盛りで直径が測れるようになっているが、起点としてテープの真ん中に小さな釘穴がある。

赤字で INTERNAL MEASURING = RED FIGURES と表示……赤字で+100mmの表示があるのだが、内法を測るには仕掛けがあるのだ。

TALMETER_2.jpg後ろ側を見ると、上部から回り込んだステンレス製のテープCがある。
これを延ばす事によって+100mmの始点となるのだ。テープ裏面の表示で内法を読むという今様な工夫と違って、妙に不器用な仕掛けを好ましく思うのだ。

このコンベックスは寸法を測るという事よりも、寸法を移す……マーキングすることが目的の道具なのだ。実に実際的……大工仕事に向いたコンベックスなのである。

TALMETER MARKETING MEASURE


TALMETER_3.jpgこのコンベックスの由来が分かったのは、先日のスウェーデンの折れ尺のメーカー Hultafors ハルタホースのサイトの製品紹介のページで発見したのだ。

TALMETER MARKING MEASURE マーキングメジャーなる言葉、これはマーキング……印をつける…という為のコンベックスなのだ。
通常、スケールの数値を読んで、その数字を工作物に印すという手順が、読むことなくそのまま移せるのがこのコンベックスの仕掛けなのだ。

それは尖ったテープ先端部Aと、本体の計測端Bも尖っているところによるものだ。本体の計測端Bは円、円弧を画く時の中心点ともなる。


このコンベックスは、セルフビルダーにして発明家の Ture Anders Ljungberg が1947年に考案し1954年に登場したものだ。もちろん、名称の TALMETER は彼の名前の頭文字を連ねたものである。

Posted by 秋山東一 @ April 7, 2010 09:32 PM
Comments

ほんとそうですね。出処がわかったときの喜びは大きいです。私の場合、出処がわからなくなる件数のほうが増えていく傾向があり、何とかせんといかんと思っています。

Posted by: 今井孝昌 @ April 9, 2010 10:56 AM

今井さん、どうもです。
このコンベックスの出処が分かったものですから……、この前のジェルデもそうでしたが、ちょっとした切掛けで、いままで知らなかった物の事が分かるのはうれしいことです。

Posted by: 秋山東一 @ April 9, 2010 10:10 AM

うーん、やっぱり秋山さんのサイトは心をくすぐりますね。こういうのも大好きです。私のはみんなガラクタでしたが、キッチュなのを集めてました。大工さんが置いていったものとか。

Posted by: 今井孝昌 @ April 8, 2010 09:32 AM