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どんぐりと山猫

BOOKS

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どんぐりと山猫
 画本 宮澤賢治

作: 宮澤賢治
画: 小林敏也

ISBN: 978-4894190023
出版: パロル舎

定価: 1,470-円(税込)

特に、宮澤賢治に興味が出てきた……というわけではないが、先日の神保町で行われた之潮(コレジオ)芳賀啓さんの講演会で、冒頭の「地図の絵本を作りたい……」というお話の際の画像が、この小林敏也の描く「画本 宮澤賢治」の一冊「どんぐりと山猫」であったからなのだ。

書店の絵本売場の宮澤賢治は各種各様、人気のある代表的な話には沢山の画家、絵本作家が取り組んでいるのだ。その中から、異彩を放つこの「どんぐりと山猫」を探し出した。

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「画本 宮澤賢治」の作者は小林敏也(こばやしとしや)氏、1947年生まれの芸大工芸科卒だ。デザイナーにしてイラストレーターであり、青梅に「山猫あとりゑ」を営む。

本書の「スクラッチ」なる技法で描かれた鋭い描線は活き活きとした画を作り出し、又、繊細かつ大胆な構成は宮澤賢治の言葉をダイナミックに活かした画本を生み出しているのだ。

画のみならず、装丁・用紙・製本などの「本作り」の全てに傾注した氏の力によって、独特な力を持った画本が出来上がっている……すばらしい。

さてさて、この「画本 宮澤賢治」は氏のライフワークとして、年一冊のペースで出版されているとのこと、もうパロル舎のカタログには15冊あまりのタイトルが並んでいる……楽しみである。

Posted by 秋山東一 @ November 10, 2009 12:04 AM
Comments

そらさん、どうもです。
絵本って物語のイメージが先行している場合……絵の好悪で手が出ない場合が多々でありますね。書店で見ていても、どうしてこんな絵なのって……と思うような絵本がありましたです。
小林敏也の絵本もいろいろですが、この「どんぐりと山猫」は絵(画というのかな)といい、文字といい、色といい、造本といい、全てにわたってデザインされている本です。正直なところ、こんな本があってよかった……と思いました。

Posted by: 秋山東一 @ November 10, 2009 10:41 AM

すてきですねえ…宮澤賢治の物語は本当にたくさんの絵本になっていますよね。
好きな画家の絵でも、私なりの物語のイメージと違ってる場合もあって、なかなか絵本を手にすることはありませんでした。
小林敏也さんの絵本は読んでみたいです。
『黄いろのトマト』もあるんですねえ。
この先、『水仙月の四日』も出版されるでしょうか、読みたいです。

Posted by: そら @ November 10, 2009 09:49 AM