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セックスレス亡国論

BOOKS

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セックスレス亡国論
朝日新書 184


著者: 鹿島 茂 / 斎藤 珠里

ISBN: 978-4022732842
出版: 朝日新聞出版
価格: 735-円(税込)

英国のコンドーム会社 DUREX デュレックス社が行っている、 Sexual Wellbeing Global Survey セクシャル ウェルビーイング サーベイなる性生活についての各国比較調査があるのだそうな。

26ヶ国、2万6000人を対象にした最新調査2008年版によれば、「週一回以上性生活がある」と答えた人の比率は、第1位・ギリシャ 87%、最下位26位・日本 34% なんだそうだ。この最下位という日本のデータは、例年……なんだそうだが、「性生活満足度」においても「満足している」の世界平均が 44% だったのに対し、日本はわずかに 15% だったそうだ。

まぁ、裸の(あるいは裸に近い)女性の写真に満ち満ち、スケベ全開ではないかと感じられる世の中なのに、この体たらくなのだ。
セックスレス」の一般的な定義では「特殊な事情が認められないのにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャル・コンタクトが一ヶ月以上もなく、その後も長期にわたることが予想される場合」を指すんだそうだ。

まぁ、結婚しない……できない若人一杯の世の中だが、こんな世の中、誰がした……というわけで、そのような状況を古今東西、人類創世にまでさかのぼって、スケベには大いに自信あるマダム・ジュリーの問いかけに鹿島教授大いに語るという、問答形式の一冊なのだ。


目次
    はじめに
序 章 セックスレスと資本主義
第1章 セックスレス亡国論
    1.「ホモ・オナニスタ」の誕生
    2.種の保存をめぐる共同体と自我の相克
    3.日本の優れた制度「お見合い」
    4.恋愛至上主義の落とし穴
    5.アメリカニズムの到来―セックス産業の興隆とバブル崩壊
第2章 セックスレスの歴史
第3章 私たちはどうすればよいのか
    1.面倒くささの克服を
    2.快楽ベクトルが逆の男女をどう活性化させるか?
    あとがき

まぁ、飲みながら大いに語る……的内容だが、第2章「セックスレスの歴史」はさすが鹿島茂教授、その学識とどまるところを知らず、大いに読ませるのだ。

しかし、悪いと思っているわけでないが、いわゆる新書もずいぶんと軽く、週刊誌並みの軽さと相成ったものではある。

Posted by 秋山東一 @ October 23, 2009 12:17 AM
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