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真鍋英雄〈水辺〉

Art/Design

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この「水辺」の作者、真鍋英雄氏は komachi memo の真鍋弘氏の父上である。
ずいぶんと前にこの絵について書かれ、最近、板橋区立美術館で開催中の「池袋モンパルナスの作家たち」展に、それが展示されていることを書いておられた。

komachi memo2 : 久しぶりの「水辺」再会

板橋区立美術館「昭和の前衛ー表現の冒険者たちー」展図録より

昨日7日、都営三田線西高島平駅から板橋区立美術館に歩いていった。「漂泊のブロガー2」の susumenysi こと、いのうえさんも「板橋区立美術館にて」に書かれていたが、高速道路脇のアクセスはひどく辛い。

そんなこんな、美術館でこの絵を前にすることができた。全体に照明を落としてある会場のせいか、画面は暗く、深い緑に圧倒される。真鍋英雄氏の他の絵を見ていないが、その騙し絵のような仕掛けに、1941年、若々しい27才の画家を感じた。見たかった絵を見ることが出来て、とてもうれしかった。

その日に出かけたのは、もう一つの目的があったからだ。

午後2時からの、記念講演会・寺田 農が語る「父と池袋モンパルナスの時代」を聞きたかったのだ。
寺田 農(みのり)は私と同年の1942年生まれだが、この「池袋モンパルナス」の洋画家の一人、寺田政明氏のご子息なのだ。

開演30分前から会場は一杯であった。彼と学芸員の女性との対話、彼の朗読とスライドによって「池袋モンパルナスの時代」と、その世界での父・寺田政明とその仲間達、友人達が語られた。会場全体なごやかな雰囲気で、ゆったりとした時間が流れた。
実は、6年程前、Be-h@usでの住宅の計画があり、その施主の奥様が寺田政明のご長女、すなわち寺田 農氏の姉上であったことから、私の父と同世代であった洋画家・寺田政明氏とその時代に興味があったからなのだ。

講演にいらしていた姉上とそのご主人に、ひさしぶりにお会いし、美術館を後にしたのであった。

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開館時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし4月30日は開館、5月1日は休館)

 今から80年ほど前、池袋・板橋・練馬付近にはアトリエ付きのアパートが建ちはじめ、若い芸術家たちが集まりました。住人の1人、小熊秀雄はこの界隈の詩を詠んで「池袋モンパルナス」と名づけました。ここでは、麻生三郎、寺田政明、井上長三郎、古沢岩美をはじめとする画家たちが、戦争や貧困の中でキュビズムやシュルレアリスムなどの外国の表現を自由に解釈し、独自の芸術を探求していました。
 板橋区立美術館では日本の前衛絵画を語るうえではずすことのできない「池袋モンパルナス」に集った作家たちの作品を収集してきました。本展はコレクションの中から約80点の戦前から戦後にかけての様々のスタイルの油彩画を「独立美術協会」「新人画会」などの発表の場となった美術団体との関連で紹介し、新たな魅力を発見する新しい試みとなります。

板橋区立美術館
www.city.itabasi.tokyo.jp/art/

Posted by 秋山東一 @ April 8, 2007 04:25 AM
Comments

真鍋さん、どうもです。
世の中、いろいろですね。私は今、寺田政明氏のご長女、三富さんの家を建設中です。

Posted by: 秋山東一 @ July 17, 2011 12:46 PM

秋山さん、先ほどはありがとうございました。館野さんのアドレス、仕事場のパソコンで読めました。

Posted by: komachi @ July 16, 2011 11:02 AM

舘野あきらさん、はじめまして、こんにちは。
真鍋弘さんに連絡とりました。もう、このコメントをお読みになったと思います。携帯電話番号は削除しておきます。

Posted by: 秋山東一 @ July 16, 2011 09:48 AM

真鍋弘さん、先日、ソウルで叔父様の金泰善さんにお会いしました。金泰善さんは、父上や弘さんのことが思い出されてならないとおっしゃっていました。
弘さんに連絡したいので、私に所在を探してほしいと依頼されましたので、このように「コメント」としてアクセスしています。
どうぞ、私のメール&携帯にお返事をください。

Posted by: 舘野あきら @ July 16, 2011 08:37 AM

玉井さん、どうもです。
5月6日までです。ぜひ美術館にでかけてください。
板橋区立美術館ではパスポートのチェックはありません。古いのでも大丈夫です。

Posted by: 秋山東一 @ April 12, 2007 05:07 AM

komachi さん、どうもです。
真鍋さんの父上の描いた絵を見ることができて幸せです。それも彼が27才の時の絵、なにを考え、なにを思い、あのキャンバスにむかったのか。この絵を多くの方々に見て欲しいものです。

Posted by: 秋山東一 @ April 12, 2007 05:01 AM

いのうえ さん、どうもです。
高速道路脇の酷い道をでかけました。着いたミュージアムの場所はうって変わった緑の場所、そして、この絵、とても幸せでありました。

Posted by: 秋山東一 @ April 12, 2007 04:55 AM

一昨日見たときには、絵が開きませんでした。そのときに想像していたものとは、まったく雰囲気が違うのでびっくりしました。水辺というタイトルから、おだやかな緑と光と水面を想像していたのですが、大違い。怒りや憎しみさえ秘めた生命の根源がひしめきあうライフポッドという感じで、水から陸の上に生命が浸食しようとしているようだと思いました。

Posted by: 玉井一匡 @ April 11, 2007 01:08 AM

akiさん、板橋美術館まで足を運んでいただきありがとうございます。akiさんがおっしゃるように深いグリーンの好きな人でした。それもカドニウムグリーンという色で、製造の問題があるのか、同じ色を製造しなくなったと言っていたことを思い出します。会場にあるモンパルナスのアトリエの画家たちの写真は寺田家にあったものを借りたと学芸員の方がおっしゃっていました。わたしの知らない20代の亡父が写っている唯一の写真です。

Posted by: komachi @ April 9, 2007 08:59 AM

秋山さん こんにちは。私も「水辺」の繊細なタッチと緑の色調に驚かされました。 会期は5月6日までということなんで 絵の好きな方々に 是非見てもらいたいです。   

Posted by: いのうえ @ April 8, 2007 02:01 PM

やっぱり、どんな絵だったのかを紹介したく、美術館で買い求めた昔の図録をスキャンしてみた。しかし、絵を目の前にした時の、この絵って「緑」の絵なんだという感じがでていないと感じている。

Posted by: 秋山東一 @ April 8, 2007 04:50 AM